食べることを楽しむことができる心と体を

食育とは、国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を楽しく身に付けるための学習等の取組みをさします。と書いてしまうと非常に堅苦しくなりますが、1日3食規則正しく食事をし、その上で食べ物に興味を持つ、食べることを楽しむ、そのような力を身につけることが幼少期には必要ではないでしょうか。

食事もおやつも、「これは何だろう」「形は悪くても一緒に作って楽しかったね、美味しかったね」と興味を持って、そして一緒に食事をする人と共感できるようになれば、もうそれは食べることを楽しんでいることになります。

そのような体験を重ねていくために、ご家庭と保育園が協力していきたいと考えています。

家庭の料理やおやつが一番素敵なところは毎日食べてあきない味つけであることではないでしょうか。

保育園の食事も同じです。

食べ物の味を楽しむためには、まずはうす味に慣れること。うす味に慣れた舌は、大人になっても食べ物の微妙な味の違いをとらえ、食べることを楽しむことができます。

保育園の給食では、本物のだしや調味料を用いて、うす味だけど美味しい味を味わってもらうのが基本路線です。

そして最終的には作ることに興味を持って欲しいと思います。

調理に興味を持ち始めると、段取り力がめきめきとついてきます。

この段取り力は、小学校に入っても、大学生になっても、就職活動をするにしても、何をするにも大きな武器となる、目に見えない大きな財産です。

このコラムでは、食事のとき、買い物のときなど、ご家庭でも話題にしていただければいいな、という“食”に関わる様々なトピックについて、ご紹介していきます。

引用元/
なかよしくっく保育園食育コラムNo.1 2008年4月号
著者/伊藤知子
大阪国際大学人間科学部人間健康科学科准教授

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